保育短期大学を卒業後、晴れて私立幼稚園に就職が決まった。
あれから10年経ってしまった…。
親は… 特技を生かせる場所として、保育士免許を取得しなさい。 と。
当時子ども達との関りは少なかったが、子どもが嫌いではなかった。
学生時代に学んだ声楽やピアノの経験も生かせるし、工作も好き。
職を掴むなら、保育士?と、安易な思い。
保育士になりたい!という思いよりも、“親の言う通りに動けば大丈夫”と思う、自立出来ていない自分がいた。
大学在学中から、同級生とのズレを感じていたのにも関わらず…。
当時は親の定めたレールに縛られていると感じていた。
しかし、そうではなかった。 私は自ら動くことが怖かったのだ。
実をいうと、学生時代にアルバイトもしたことがなかった私。
年齢でいえば大人というだけで、社会の領域に踏み込む準備は何も出来ていなかった。
そんな私が、何とかなるだろうと感じていた私が、就職してどうなったか…。
1年目、年長クラスで一人担任、30人以上の子ども達を任された。
とにかくマルチタスクが苦手だった私は、優先順位をつけて仕事をすることが難しかった。
気になるとついつい時間を掛けてしまい、間に合わないこともしばしば。
「分からないことがあったら聞いてね。」と言われても、何が分からないのか伝えられない、報告出来ない… と、先輩の先生は私の様子を見兼ねて、私だけの為に仕事のマニュアルを紙で作ってくれた。
しかし私はというと、見返す余裕もなく子どもの動き・話を聞く余裕もない。
中途半端な保育を、先輩の先生が修正する毎日。
自己肯定感はどんどん低くなり、そんな自分のクラスに居る子ども達に申し訳なかった。
《一番は子ども達の成長を共に共感・体感しながら、成長を分かち合いたい》
建前の自分はボロボロに崩れてしまい、子ども達とどう関わればよいのか…。
働いている途中で、子ども達にまったく向き合えていない自分に気付いた。
結局は、自分のことばかりの思いだった。
一人ひとりをもっと知ろう💡✨
とにかく子ども達の変化・表情を見逃さないように。
そして、私自身が子ども達との関りを全力で楽しむこと。
年長クラスという、小学校に上がる前の大切な時期には余りにも未熟で、幼い、幼稚園教諭とは名ばかりの“先生”であったが、顔を上げて笑顔を続けた。
無事に、子ども達は欠けることなく卒園🌸
何とか続けることが出来た一年ではあったが、保育士としては精神的にも未熟。
今の自分には向いていないと冷静に感じた。
その流れで、園長に退職を伝えたところ…
「先生、大変なこともありましたが、頑張って子ども達を守りましたね。
来年度はフリーの職員として、働きながら保育を勉強しましょう。」
2年目の幼稚園勤務が始まった。
今日の夕飯は肉じゃが🍳
🍀おしまい🍀